8月の誕生石として知られる「ペリドット」は、透き通るグリーンがまるで爽やかな夏の風を閉じ込めたような、不思議な魅力を持つ宝石です。
そんなペリドットには、さまざまな「石言葉」が存在します。
この記事では、ペリドットの石言葉について、意味もわかりやすく解説していきます。
ペリドットの石言葉
- 夫婦の幸福
- 和合
- 安心
- 平和
- 希望
- 運命の絆
ペリドットの石言葉の意味をわかりやすく解説
夏の夜空に浮かぶ星たちが、光り輝くペリドットにその緑を映したかのように感じさせるほど、ペリドットの色彩は清々しく、そして奥深いもの。
その光は古代から人々を魅了してきました。
ペリドットの石言葉は、そんな歴史や特徴、そして人々の祈りや想いと密接に結びついています。
ここからは、その一つ一つを紐解いてみましょう。
「夫婦の幸福」
ペリドットが「夫婦の幸福」を象徴するのは、古来より愛情や関係を良い方向へと導く“和合の力”があると信じられてきたからです。
ペリドットの穏やかな緑色は、大切な人との心の距離を縮め、すれ違いを減らし、信頼関係を深めるイメージを与えます。
結婚記念日の贈り物や、これから新しい人生を共に歩むふたりへのギフトとしてぴったりです。
「和合」
「和合」は、バラバラだった糸が美しい織物へと生まれ変わるような調和を象徴します。
ペリドットが放つ柔らかな光は、人間関係のいざこざを鎮め、心を穏やかにさせる力があると信じられています。
意見の衝突が続くときや、チームの結束を高めたいとき、ペリドットはまるでやさしく背中を押してくれるエージェントのような存在になってくれるかもしれません。
「安心」
ペリドットを手にしたとき、その明るく澄んだグリーンは心に安らぎをもたらします。
心が不安でざわつくとき、ペリドットはまるで緑あふれる森の中で深呼吸するような「安心感」を与えてくれる存在です。
日々の生活に少し疲れたとき、ペリドットの輝きは、焦りを和らげ、身近な幸せに目を向ける手がかりを示してくれるでしょう。
「平和」
戦乱の歴史を経てきた人々にとって、ペリドットは平和の象徴でもありました。
そのきらめきは、心の中の争いや雑念を洗い流し、穏やかな状態へ導くと考えられてきたのです。
世界のどこかで小さな衝突が起こるたび、ペリドットの光は緑の大地のような安心感を運び、「平和」への願いを共有するかのような不思議なパワーを秘めています。
「希望」
暗闇の中に差し込む一筋の光。
それがペリドットに象徴される「希望」のイメージです。
かつて暗闇を照らす“太陽の石”と呼ばれたペリドットは、新しい始まりや未来への期待を育む存在。
転職、引越し、留学など新たな一歩を踏み出そうとする時、ペリドットの輝きは前へ進む勇気を与え、まだ見ぬ可能性に心を躍らせてくれます。
「運命の絆」
人と人を結ぶ“見えない糸”をイメージさせるのが、この「運命の絆」です。
ペリドットの色合いは、深く根付いた縁や出会いの必然性を象徴しているかのよう。
大切な仲間、パートナー、友人との縁を育み、それを貴重なものだと再確認させてくれるのもペリドットの魅力といえます。
ペリドットの石言葉の意味は海外と日本で違う?
「ペリドット」はヨーロッパや中東など、世界各地で愛されてきた宝石です。
そのため、国や文化ごとに、与えられる意味合いには少しずつ違いが見られます。
日本では特に「夫婦円満」や「和合」といった関係性を大切にする意味が強調される傾向がありますが、海外では、もう少しスピリチュアルな側面や神秘性が強調されることもあります。
海外でのペリドットの石言葉の意味
海外では、ペリドットは「太陽の石」として称えられ、暗闇を追い払う魔除けの力があると信じられてきました。
また、古代エジプトでは“宝石の中のエメラルド”として珍重され、繁栄や勇気、そして光明への導きを象徴していたといわれています。
つまり、海外においてペリドットは、より「太陽」「光」「繁栄」「浄化」といった、自然や宇宙的なパワーを感じさせる意味を持っていたのです。
8月の誕生石「ペリドット(橄欖石)」とは?
8月の誕生石「ペリドット(橄欖石)」。
名前は聞いたことあるけど、、ダイヤモンドやルビーなどと比べると、どういう石なのかあまり知らない、という方が多いかと思います。
「ペリドット」という名前は宝石名で、鉱物学では「オリビン」と呼ばれます。
※鉄やマグネシウムを含む珪酸塩鉱物である橄欖石(カンランセキ)グループに属しています。
一般的に、橄欖石というとほとんどが苦土橄欖石(クドカンランセキ)のことを指しますが、その中でも緑色で特に美しいものを「ペリドット」と呼び、宝石として扱われます。
8月の誕生石「ペリドット(橄欖石)」の名前の由来
ペリドットの名前の由来については、現段階では明らかになっていませんが、いくつかの説があります。
13世紀の中期の英単語で「明るい点」や「明るいボタン」を意味する「ペリドート」が由来だという説です。
また、フランス語で「不明な」を意味する「ペリトー」ではないかという説もあります。
そして、ペリドットの生産地から考えて、最も有力だとされているのがアラビア語です。
アラビア語で「宝石」を意味する「ファリダット」から由来していると考えられています。
橄欖石(カンランセキ)の語源については、石の色がオリーブ色をしていることからオリーブの日本名である「かんらん」と名付けたそうですが、実際は間違いで、かんらんとは中国の常緑樹の名前でオリーブではありません。
間違えだったものの、そのまま定着していき、現在も「橄欖石」と呼ばれています。
8月の誕生石「ペリドット(橄欖石)」の色について
ペリドット本来の色は無色透明ですが、鉄分やニッケル分を含有することにより黄緑色や緑色などに変化します。
基本的には「オリーブグリーン」と言われています。
ペリドットが示す黄緑色は、12%~15%ほど含有された鉄分に起因しています。
また、そのほかにも含有されたニッケル分やマグネシウム分により、黄緑色、緑色、帯褐緑色などを示します。
マグネシウムの含有量が多いほど黄色が、鉄が多くなると濃い緑色になり、この緑は加熱処理することにより濃さを調節することが可能になります。
8月の誕生石「ペリドット(橄欖石)」の歴史
紀元前1500年頃のエジプトでは、既にペリドットが宝飾品として親しまれていました。
ペリドットの輝きのイメージから、国家の象徴「太陽神」に見立て崇拝していたとされ、当時の人々にとっては特別な宝石として存在していました。
また、エジプト沿岸の紅海沖にあるセントジョーンズ島で採られたペリドットは、十字軍によって持ち帰られ中世の教会の装飾に使用されていました。
200カラット以上ある大きなペリドットが、ケルン大聖堂にある東方の三博士の3つの聖堂を今でも飾っています。
8月の誕生石「ペリドット(橄欖石)」が生まれる場所
ペリドットは地球の上部、マントルの主要成分であり、火山付近で産出されます。
橄欖石からなる岩石を橄欖岩と呼び、ダイヤモンドの母石であるキンバーライトはその一種とされています。
ペリドットは溶岩の塊に運ばれて地表に出るため、急激な減圧で石が砕けてしまい、小さくなってしまうものがほとんどで、大きな結晶は非常に希少です。
少し大きな物になると内部亀裂が目立ってしまうののでそこが難点です。
傷の無い大粒のものは非常に稀で高値で取引されます。
そして、ペリドットは入った光がふたつの違う方向に進むほどの複屈折率が特徴です。
なので、小さくても十分な存在感と輝きを放つことから、流通しているペリドットのほとんどは他の天然石に比べて小さめです。
日本でもペリドット(橄欖石)が採れる?
火山付近で産出されるペリドット。
日本は火山の多い国ランキングでなんと世界4位です。
三宅島の溶岩の中から、結晶が発見されています。
ただし、その結晶は残念ながら大半は不純物が多く、宝石として扱うことはできませんでした。
大きくて透明な宝石質のペリドットの結晶は、火山活動によって地中深くから運ばれてきた橄欖石が、ゆっくりと冷えかたまり、成長した場合にのみ生まれます。
こうした条件を兼ね備えているところはそう多くはなく、宝石としてのペリドットは日本ではまだ発見されていません。
8月の誕生石「ペリドット(橄欖石)」の原産地
- アメリカ(アリゾナ州、ハワイ州、ネバダ州、ニューメキシコ州)
- オーストラリア
- ブラジル
- 中国
- ケニア
- メキシコ
- ミャンマー
- ノルウェー
- パキスタン
- サウジアラビア
- 南アフリカ
- スリランカ
- タンザニア
- エジプト
このようにペリドット(橄欖石)は、世界各地から産出されています。
ただし現在は、ハワイでは採られなくなりました。
※ハワイ産として売っているものはアリゾナ州で採れたものがほとんど
最後に
ペリドットは、夏の空気を閉じ込めたかのような透明感と、心を明るくする穏やかなグリーンが特徴の誕生石です。
その石言葉は「夫婦の幸福」「和合」「安心」「平和」「希望」「運命の絆」と、多くが人間関係や心の平穏、そして未来への期待にまつわるものが多いことがわかります。
日本では、愛情や調和、心の安定といった意味合いが強調され、海外では光と繁栄、そして魔除けのシンボルとして崇められたペリドット。
どちらにも共通するのは、「人に喜びと前進する力を与える」存在であること。
もしもあなたが、心のなかで少しでも迷いや不安を感じているなら、ペリドットの光に想いを重ねてみてはいかがでしょうか。
その緑の輝きが、明るい未来へとそっと背中を押してくれるかもしれません。