シトリンは、11月の誕生石として知られる透明感あふれる黄金色の宝石。
その名前の由来は、柑橘系フルーツ「シトロン(Citrus)」にあるとされ、その明るく爽やかな色合いは、見ているだけで太陽の光を浴びているような温もりを感じさせてくれます。
そんなシトリンには、古くからさまざまな「石言葉」が伝えられており、その意味は「持つ人に豊かさをもたらす」と言われるほど多彩です。
シトリンの石言葉一覧
- 「繁栄」
- 「成功」
- 「富」
- 「友情」
- 「友愛」
- 「希望」
- 「幸運」
- 「幸福」
- 「自信」
- 「社交性」
シトリンの石言葉の意味をわかりやすく解説
シトリンの石言葉を一言で表すなら、「金色に輝く太陽のパワーを宿し、人生を明るく照らすメッセンジャー」といったところでしょう。
ここからは、それぞれの石言葉がなぜシトリンにつけられ、どんな影響をもたらすのか、じっくりと解説していきます。
「繁栄」と「成功」
シトリンは古来より「商売繁盛の石」としてビジネスマンやトレーダーに愛されてきました。
その黄金色はゴールドを連想させ、富と豊かさを呼び込む力があると信じられています。
まるで、ひとさじのはちみつを加えるだけで苦いコーヒーがまろやかになるように、シトリンは人の運気にほんのりと甘さを足し、ビジネスやプロジェクトを「繁栄」へと導くサポーターとなってくれます。
「富」
シトリンは「富」を象徴する石として、金運アップのお守りの定番。
人が財布にシトリンを忍ばせるのは、一攫千金を狙いたいわけではなく、日々の収入や収穫がじわじわと増えていくようにと願うから。
まさに、果樹園でたわわに実るオレンジのように、自分の周りに豊かさが実っていくイメージを体現しています。
「友情」と「友愛」
シトリンは人と人との間に光を差し込み、暖かな関係性を築くサポートをすると言われています。
まるで太陽が日差しを分け隔てなく注ぐように、シトリンは持ち主に「友情」「友愛」を呼び込みます。
人との繋がりを円滑にし、つまらない誤解や冷たい沈黙を和らげ、心と心を結びつける明るい潤滑油となるのです。
「希望」と「幸運」
シトリンのクリアな黄金色は、希望の象徴。朝日が地平線から昇る瞬間のようなワクワク感を連想させ、持ち主に前向きな気持ちをもたらします。
その結果、幸運が寄ってくると信じられています。運を掴むには、まず心を開いて光を受け止めること。シトリンはその「幸運の入り口」を照らしてくれるランプとも言えるでしょう。
「幸福」
シトリンは太陽のような明るさで、持ち主の心を穏やかに温めます。
その温もりは、目に見えない幸せホルモンを分泌させるような効果があるかもしれません。
晴れ渡る空の下で深呼吸するような清々しさを与え、日々の暮らしの中に小さな「幸福」の種をまいてくれる存在です。
「自信」と「社交性」
自信を失ったとき、シトリンは背中をそっと押してくれる誕生石です。
人前で緊張しがちなシチュエーションも、黄金色の石を手にすれば心がほぐれ、人と接することが自然と楽しくなるかもしれません。
まるで、友人から「大丈夫、君ならできるさ!」と微笑まれているような心強さがあります。
シトリンの石言葉の意味は海外と日本で違う?
ここまでシトリンの石言葉を見てきましたが、実は「言葉」や「意味」といった概念は、文化や地域によって変わるもの。
日本では主に「商売繁盛」「金運上昇」といった現実的な恩恵が取り沙汰されがちですが、海外では少し異なるニュアンスも存在します。
海外でのシトリンの石言葉の意味
海外、とりわけ欧米圏ではシトリンは「心身のバランス」や「精神的な安定」をもたらすストーンとして認識されることが多いようです。
近年ではヒーリングストーンとしても名高く、ポジティブシンキングやクリエイティビティの向上をサポートする「メンタル面強化の石」として評価されているケースが多く見られます。
また、ヨーロッパの一部では、シトリンは「太陽神の恩恵」を象徴するとされ、幸福の根源としての解釈もより神秘的なものが見受けられます。
11月の誕生石「シトリン」とは?
11月の誕生石「シトリン(黄水晶)」。
ダイヤモンドやルビー、サファイアなどと比べるとそこまでメジャーな石ではないものの、シトリンはたくさんの魅力を持っています。
シトリンは水晶(クォーツ)に属する鉱物の一種です。
色の濃淡にかかわらず黄色透明のものをシトリンと呼びます。
※シトリンの黄色は含有した鉄分の影響によって発色しています。
現在、市販されているほとんどのシトリンは、アメジストやクォーツに加工処理され、天然の黄色をしたものはありません。
もし天然シトリンがあったとしても、残念ながら基本アクセサリー用の石としては流通していません。
そのほとんどは、高級宝飾用ルースや、原石のまま置物として売買されています。
シトリン(黄水晶)の名前の由来
シトリンという名前はこの石の色が、レモンの果実に似ていることから、フランス語で「シトロン(citron)」の語源に由来しています。
和名は「黄水晶」でその名の通り、レモン色~オレンジ色をした黄色い水晶を指しています。
11月の誕生石「シトリン」の色について
シトリンの色は
- 濃い黄色
- 薄い黄色
- 帯緑黄色
- 帯褐黄色
などがあります。
簡単にいいますと、黄色~オレンジ色をした水晶(クォーツ)がシトリンと言われています。
11月の誕生石「シトリン」の歴史
シトリンの歴史は長く、シトリンが最初に発見されたのはスペインのアランスコットという島です。
その後はフランス、ハンガリーなどでもシトリンが採掘されました。
紀元前323~紀元前30年のへレニズム時代にはすでに、ギリシャでアクセサリーとして身に付けられていたと言われています。
古代ローマ人は「インタリオ」と呼ばれる沈み彫りの技法が施された美術・工芸作品や、アクセサリーにシトリンをお守りとして装飾していました。
この時代、シトリンは邪気を祓い、病気を治す力があるとされていました。
また、毒虫などの解毒作用があり、消化を助ける石としても信じられ大事にされてきました。
19世紀の中世ヨーロッパで「マデイラシトリン(マデラシトリン)」と呼ばれる深いオレンジ色のシトリンは爆発的な人気があったとされています。
※マデイラの意味はワインの種類で、色が似ていたことが名前の由来になっています
現在では極めて流通量が少ない、シトリンの最高峰とも呼ばれる珍しいカラーです。
11月の誕生石「シトリン」の知っておきたい豆知識
水晶(クォーツ)はもともと無色透明です。
その水晶が自然界で黄色になる原因は2つあるとされています。
- 同じ水晶のグループに属するアメジストが地熱などで熱せられて、中に含まれる鉄分が変化して黄色になったもの。
- 水晶が放射線の影響を受けることによって、鉱物の構造そのものが変化して黄色に見えるもの。
ただし今では、天然のシトリンの流通量は非常に少なくなりました。
そこで、自然界で作り出される原理を利用して、現在市販されているほとんどが、アメジストに人工加熱処理をしたものや、白水晶に人工的に放射線処理を行ったものが流通しています。
人工的処理により形成されたシトリンも、天然のシトリンも、鉱物的には同種・同成分のものなので一緒だと考えられています。
11月の誕生石「シトリン」の原産地
シトリンの主な産地は以下のような国です。
- ブラジル
- インド
- チリ
- ザンビア
- ジンバブエ
- スペイン
- マダガスカル
- ロシア
- ベトナム
現在は非常に希少とされていますが、シトリンの主要産地はブラジルやチリが有名です。
さまざまな産地がありますが、もっとも品質の良いシトリンが採掘されるのは、
- ブラジル
- スペイン
- マダガスカル
- ロシア
だと言われています。
また最近では、ベトナムから良質のシトリンが発見され、今後に期待されています。
最後に
11月の誕生石「シトリン」は、その明るい黄金色から「繁栄」「富」「幸福」「希望」といったポジティブな意味合いを帯び、ビジネス運や人間関係、メンタル面のサポートまで、まさにオールラウンダーなパワーストーンです。
日本では特に金運・商売繁盛の石として人気がある一方で、海外では精神的な安定やクリエイティビティの向上など、より内面的なサポートとして捉えられることもあります。
シトリンは太陽のような輝きを手元に宿し、あなたの人生にちょっとした「光」をプラスしてくれる存在。
まるで「心のカフェラテ」に一滴のはちみつを落とすように、毎日の暮らしをほんのり甘く照らし出してくれるでしょう。