人の心を一瞬で奪うような、深い赤に輝く「ルビー」。
古代から王侯貴族に愛され、「宝石の女王」とも呼ばれるこの石は、7月の誕生石としても有名です。
そんなルビーには、さまざまな石言葉が宿っています。
まるで、美しいドレスをまとったプリマドンナが、ステージ上で鮮烈な印象を残すかのように、ルビーはその存在感で私たちを魅了するのです。
まずは、ルビーの石言葉をさくっと一覧でチェックしてみましょう。
ルビーの石言葉一覧
- 熱情
- 仁愛
- 威厳
- 良縁
- 勇気
- 勝利
- 自由
- 美
これらの石言葉は、情熱的でありながら高貴な印象を与えるルビーそのものを表すキーワード。
その背景を踏まえながら、それぞれの意味もわかりやすく解説していきます。
ルビーの石言葉の意味をわかりやすく解説
1. 熱情(ねつじょう)
ルビーといえば、まずはこの言葉がぴったり。
当たり前ですが、あの燃えるような赤は、まさに情熱の象徴です。
恋愛に限らず、「これだ!」と思える目標や夢に向かって突き進むパワーを与えてくれます。
まるでハートに真っ赤な炎を灯してくれるかのような、熱いエネルギーが宿っているのです。
2. 仁愛(じんあい)
その美しい赤は、他者への深い思いやりも示します。
仁愛というと少し難しく感じるかもしれませんが、つまり「優しさ」や「思いやり」に近いイメージ。
強く燃える情熱が、愛情を伴うと、周りを包み込むぬくもりに変わります。
ルビーは、持ち主が優しい心で人と接する手助けをしてくれる存在なのです。
3. 威厳(いげん)
古代、ルビーは王族や権力者が身につける宝石の代表格でした。
深紅のきらめきは、その人に高貴な雰囲気をまとわせ、高い地位や権威を象徴するとされてきました。
王冠やローブに飾られたルビーは、まるで王者のライオンがジャングルで誇らしげに咆哮するような、「揺るぎない存在感」を放ちます。
4. 良縁(りょうえん)
赤は「結ぶ」力が強いとも言われ、人と人との縁を深めたり、新しい出会いを呼び込むエネルギーを持つとされています。
ルビーは、まるで恋愛のキューピッドさながら、良い縁を引き寄せてくれるでしょう。
運命の糸をしっかりと編み上げてくれる、頼れる相棒かもしれません。
5. 勇気(ゆうき)
燃える赤は、恐れを振り払い勇敢に立ち向かう強さも示します。
困難な局面やプレッシャーのかかるシチュエーションで、ルビーが心の中で「大丈夫、君ならできる!」と背中を押してくれるような感覚。
勝負どころで一歩を踏み出す、そのきっかけを与えてくれるかもしれません。
6. 勝利(しょうり)
熱いハートと勇気を武器に、最後には勝利を手にする。
そんなイメージもルビーには込められています。
古い戦場では、戦士たちが勝利を祈ってルビーを身に着けたとする伝承もあるほど。
「これは勝ち取るべき成功に対するお守りだ」と、あなたを鼓舞してくれるでしょう。
7. 自由(じゆう)
赤い炎は、束縛を焼き払い、心を解き放つような自由な精神を象徴します。
ルビーは、誰かに決められたレールではなく、自分の信じる道を自由に歩む後押しをしてくれるかもしれません。
自分の人生にオリジナリティを与え、解放感をもって生きる力を注いでくれます。
8. 美(び)
最後に「美」。
ルビーは、その見た目が本当にゴージャス!
自然が生み出した奇跡のような深い赤は、内面からにじみ出る美しさと気品を表しています。
ファッションアイテムとしても、ひとつ身につけるだけで全身が華やぐ。
「美しさを引き立てる魔法のアクセサリー」といえるでしょう。
ルビーの石言葉の意味は海外と日本で違う?
実は、石言葉は国や文化、時代によって解釈が微妙に異なります。
日本では、ルビーは「情熱」や「愛」、「勇気」などが広く知られていますが、海外に目を向けると、少し違ったニュアンスが加わることもあります。
海外でのルビーの石言葉の意味
欧米では、ルビーは「愛と情熱」の象徴として非常に有名です。
それだけでなく、宗教的・歴史的背景から「魂を浄化する石」として語られることもあります。
また、中世ヨーロッパでは、「病気を予防し、健康を保つ」と信じられていたことから、健康や長寿を意味するケースも。
さらに一部地域では、富や繁栄を呼び込む開運の石として扱われることがあり、「幸運」や「繁栄」というキーワードも海外ならではです。
つまり、海外では日本以上に多面的な価値を付与され、よりスピリチュアルな要素や実用的な意味(健康・富・幸福)も含んで語られることが多いのです。
7月の誕生石「ルビー」とは?
7月の誕生石「ルビー」。
宝石の中でも特に価値があるものとされる、「貴石」と呼ばれる中のひとつ、それがルビーです。
また、世界の4大宝石と言われるなかにも含まれており、その名は世界中に知られています。
ルビーは、コランダムという酸化アルミニウム(Al2O3)の結晶からなる鉱物です。
もともと結晶は無色透明で、結晶に組みこまれる不純物イオンにより石がさまざまな色へ変化します。
実は、色が違うだけで鉱物的には「サファイア」と「ルビー」は同じものなのです。
また、ルビーはモース硬度9.0なので、ダイヤモンドの次に硬い石です。
7月の誕生石「ルビー(紅玉)」の名前の由来
ルビーという言葉は、ラテン語の赤を意味する「ruber」に由来しています。
古代インドでは「ラトナラジュ」と呼ばれており、これは宝石の王者という意味で呼ばれていました。
和名の「紅玉」は見た目のまま、赤い玉(赤い宝石)という意味で名前がつけられました。
7月の誕生石「ルビー」はどうして赤くなるの?
ルビー(紅玉)の元となるコランダムは基本的に無色透明で、そのままでは宝石として用いられることはほとんどありません。
1%程度の微量のクロムを不純物として含むことにより、赤く輝くルビーへと生まれ変わるのです!!
このクロムを含む量が0.1%となるとピンク色になり、ルビーとは鑑定されず、ピンクサファイアとなります。
それだけ微妙な量によってルビーが誕生しているのですから、希少と言われるのがよくわかります。
7月の誕生石「ルビー」の色の種類
ルビーは赤色の宝石です。
赤色と言っても一括りではなく、3つのカラーに分けられています。
「ピジョン・ブラッド」とは?
ピジョン・ブラッドは日本語に訳すと「鳩の血の色」です。
やや濃色の赤で内側からテリがあり、最高級のルビーの色と言われています。
紫外線に対して発光する性質が強く、黒みの原因になる鉄の不純物が少ないのが特長です。
主にミャンマーで産出されています。
「ビーフ・ブラッド」とは?
「ビーフ・ブラッド」は日本語に訳すと「牛の血の色」です。
透明度は落ち、やや黒みを帯びた赤色のルビーのことを指していて、紫外線に対して発光する性質は弱いです。
主にタイで産出されています。
「チェリー・ピンク」とは?
「チェリー・ピンク」はその名の通りさくらんぼのように明るい色調で、ピンクに近いような透明度の高いものを指しています。
主に、スリランカやベトナムで産出されています。
7月の誕生石「ルビー」の原産地
ルビーの主な産地は以下の地域です。
- ミャンマー
- タイ
- スリランカ
- マダガスカル
- タンザニア
- ケニア
- ベトナム
- カンボジア
- アフガニスタン
- パキスタン
- インド
- ロシア
- 中国
- コロンビア
- ネパール
- モザンビーク
このようにルビーは世界各国で産出されていました。
なかでも、過去何世紀かにわたってミャンマーのMogok Valley(モゴック谷)で採られるものは、無処理のままでも透明感があり、美しい結晶であると有名でした。
しかし、現在は採りすぎたためか枯渇状態にあるようです。
1990年代よりミャンマー中部のMongHsu(モンスー)という地域でも産出されるようになり、今では世界をリードするルビー産地になっています。
7月の誕生石「ルビー」の知っておきたい豆知識
ルビーの多くは人工処理が行われています。
中でも熱処理は頻繁に行われます。
一般的には1,800℃でルビーを加熱し、ルビーの中にある紫や青の色合いを飛ばして、赤色を際立たせる作業です。
また、ルビーの内外にある非常に小さな傷には、オイルをしみこませることで光沢や透明度が改善される含浸処理が行われたり、穴や目立つ傷があった場合にはガラスなどを用いて修復するガラス充填処理が行われます。
ちなみに、宝石を綺麗に保つために超音波洗浄を用いる場合がありますが、含浸処理によってコーティングされたオイルが崩れてしまう可能性があるため、コーティングされているものには超音波洗浄がオススメできません。
最後に
ルビーは、その燃えるような赤い輝きから、「熱情」や「勇気」「威厳」といった強く情熱的な石言葉をはじめ、「仁愛」「良縁」「自由」「勝利」「美」など、多彩でロマンティックな意味をもつ誕生石です。
日本と海外では、その解釈にやや異なる面もありますが、共通しているのは、ルビーが「人の心を燃え立たせ、前向きなエネルギーをもたらす」存在であること。
まるで胸の中に小さな太陽を宿しているかのようなルビー。
そのエネルギーを味方につければ、あなたも自分の人生により濃密な色彩を与えられることでしょう。
7月生まれの方はもちろん、何か情熱を必要としているとき、ぜひルビーを手にとって、その力を感じてみてはいかがでしょうか?